2023.10.06
〜リベンジ・クルーズの後は〜
新型コロナウィルスの影響によって、旅行をしたくてもできなかった人たちが、我慢していたものを取り返すように旅行することを、リベンジ旅行というそうです。そして同じ状況でのクルーズは、リベンジ・クルーズ、と。
日本にも海外の船が何隻も寄港してクルーズ業界が賑やかになり、クルーズファンの方達がクルーズをワクワクしながら楽しまれているのを見ることは、本当に嬉しいことです。
数年前から毎年、日本クルーズを催行している外国船のクルーズも、相変わらず大人気。クルーズに乗船できなかった長いあいだを取り戻すかのように、同じ船で異なる航路のクルーズを何度も乗られている方も多く見受けられます。
私はこの夏、日本船の国内クルーズに初めて乗船しました。
乗客はほとんどが日本人の方で、外国の方はいらっしゃらないのではないでしょうか。何度も乗船されているような方々が、「ひさしぶり!」と挨拶をしたり、「次の〇〇クルーズ、一緒に乗らない?」などと、すでに次のクルーズの話をされたりしています。
このクルーズに乗船中、なぜ日本船のクルーズによく乗船されるのか、何人かにお聞きしてみました。
日本人に日本船のクルーズがそれだけ人気がある理由は・・・。
1 )船内ではほとんど日本語で大丈夫。外国人のクルー達にも、ある程度日本語が通じる。
2)食事は日本食が中心で、普段と変わらなく過ごせる。
3)日本流のおもてなしを感じることができる。
4)ショートクルーズも多く、仕事上まとまったお休みを取得しにくい人にもアクセスしやすい。
5)日本人が好きな、文化や季節に合わせたテーマクルーズも多い。
「海外のクルーズにも乗ってはみたいけれど、高そうだし、言葉の壁もある。日本船の方が安心して乗ることができる。」
日本船のクルーズが海外の外国船クルーズに比べるとやや高いと言われるのも、上記のような利点があるからでしょう。クルーズやお部屋のカテゴリーにもよりますが、日本船だと1泊だいたい5万円くらいからでしょうか。
例えばヨーロッパでのクルーズに乗るとなると、移動のためにプラス4日ほどが必要となり、飛行機代や前後の宿泊代も考慮しないといけないですね。確かに料金が上がってしまう要素はあります。
それを考えると、外国船による日本クルーズは乗船しやすいのではないでしょうか。
お部屋にもよりますが、日本船のクルーズ料金とそれほど変わらない料金で乗ることができる外国船クルーズもあります。カジュアル・カテゴリーの外国船による日本クルーズ、2〜3本分の料金で、ラグジュアリー・カテゴリーの外国船によるクルーズに乗船も可能だと思います。
日本を周るクルーズでしたら、船会社の方が乗船されていることもありますので、それほど言葉を心配することはないと思います。
以前、スペインの船でエーゲ海をクルーズしたことがあります。乗客のほとんどはスペイン人で、英語の放送もありますが、ほとんどがスペイン語によるもの。
面白かったのは、下船をするとそこはギリシャ!船に戻るとスペインの世界!スペイン風・オムレツやパン・コン・トマテ、パエリアが毎日出され、毎日スペイン語を耳にし、毎日ふたつの文化を楽しむことができて、とても楽しかったのです。
ある時、エレベーターの中で話をしていたら、乗ってきたアメリカ人の女性グループに話しかけられました。
「久しぶりに英語を聞いた感じがするわ。私たち、スペイン語がわからないから、毎日大笑いよ。わからないことを楽しむって、楽しいわよね!」
「わからないことを楽しむ」
そんな逆の発想はいかがでしょう?
私の「わからないことを楽しむ」経験は、ディナーの時に、注文し間違えたことでしょうか。普段でしたら注文しないようなものを注文してしまったのですが、思いの外、とても美味しかったのです。
びっくりしている私を見ていた隣のロシア人ご夫妻が話しかけてくださり、
片言の英語で会話が弾みました。初めて食べるお料理に、初めてロシア人の方とお話しできる機会に恵まれ、楽しいひとときでした。
先ほどの、「日本船のクルーズが人気の理由」を、外国船でのクルーズに当てはめて、違う角度からみてみましょう。
1)ほとんど日本語は通じないけれど、片言の英語で頑張ってみようかな。
(自分の言ったことが相手に通じた時の嬉しさ!)
2)本物の日本食はないかもしれないけれど、初めて食べるお料理は楽しみ!レシピも聞いてみようかな。
3)日本流のおもてなしももちろんいいけれど、外国のみなさん、とてもフレンドリー!
4)海外までいくのは大変だけれど、5日間のお休みで海外に行けた気分になれる。
5)日本船のようなテーマクルーズは少ないかもしれないけれど、この船で行く、このクルーズ自体がテーマ!どんな新しい経験ができるか楽しみ!
いつもと違うことを経験してみるということは、刺激になりますよね。
世界が広がります。
今回、初めて日本船のクルーズに乗船しました。
日本船で使われるクルーズ用語が、外国船のものとは異なっていたり、毎日日本語で過ごし、毎日美味しい日本食をいただけたクルーズは初めてでした。
デッキの木製リクライニング・チェアーが、由緒あるイギリスのクルーズ船のものであった発見もなんだか嬉しいです。どんな経緯があるのでしょうね。
もうひとつ初めてだったのは、お見送りを受けたことです。
数年前のとある外国船による日本クルーズでご一緒させていただいた、船が大好きで、クルーズをこよなく愛するお二人です。旗を振りながら大きく手を振って、出港を盛り上げてくださるお二人にデッキで応えていたら、お隣にいらした方から、「あんなに盛大なお見送りをしてくださって、どなたのお見送りかしら。なんだか嬉しいわねぇ。」という声が聞こえてきました。
私ももっと嬉しくなりました。
時々、「どの外国船クルーズがオススメですか?」と聞かれることがありますが、お答えするのは難しいです。
数千人も乗ることができる巨大な船がお好きなのか、落ち着いた雰囲気の船の方が良いのか。毎日の煌びやかなショーを楽しみにされているのか、毎日日本食でないと難しいのか、ヨーロッパ圏のクルーズが良いのか、アジア圏なのか等々、その方がクルーズに求めているものと合っているものが、その方にとっての一番オススメのクルーズになりますよね。
リベンジ・クルーズとして、乗り慣れていて安心な船に乗船された後は、ちょっと一歩踏み込んで、「わからないことを楽しむ」クルーズをオススメいたします。
来年もたくさんの素晴らしい外国船が日本に寄港します。
次回は、クルーズに役にたつ英会話について書きたいと思います。
(クルーズコンサルタント 鈴木理子)
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