2023.06.05
クルーズプロの旅スタイル クルーズで絶対行きたい“世界三大美港③”
世界中の街を歩いて気づいたことがあります。港の周辺は旧所名跡が多いということです。
古くから人やモノ、文化が往来し発展してきた場所ですから当たり前のことですが、鉄道や道路の交通網が発達した今、私たちはそのことを忘れがちです。時には空港からでなく、かつての玄関口であった港から街へ入るのはいかがでしょう。
本コラムでは私が勝手に選んだクルーズ三大美港をご紹介しています。本日は第一位の街をご案内します。
第1位 ヴェネツィア Venezia、ITALY
1位としてご紹介する街は世界でもっとも有名な観光地のひとつヴェネツィアです。
ちょっと意外でしたか?旅好きのみなさまなら既に訪れた方も多いのではないでしょうか。
みなさまはどのように街に入りましたか?列車でサンタルチア駅でしょうか、バスでローマ広場から?それとも空路、マルコポーロ空港からですか?
到着をした時、目の前に運河があり、ああ、本当に水の都に来たんだなぁ、と感動したことでしょう。でも、その感動はほんのはじまりで、本当のヴェネツィアの美しさに出会えるのはサンマルコ広場がある海側となります。
そう、私が数多あるクルーズ港の中からヴェネツィアを1位に選んだ理由は、海に浮かぶヴェネツィアの街を鳥になったように俯瞰することができるからです。
実を言うとヴェネツィア港やその周辺が美しい訳ではありません。新しい客船ターミナルはアクセスのよい陸の玄関口に位置をしています。それでも1 位にしたのは、ヴェネツィアを発着するクルーズに乗船した人だけが出会える絶景があるからです。
クルーズ客船は小さくても12 階建てのビルと同じぐらいの高さがあります。360℃展望が広がる船のデッキからは、ヴェネツィア本島だけでなく100を超える小さな島々から成るヴェネツィアの姿を見ることができます。
ヴェネツィア港を出た客船は、栄華を極めたヴェネツィア共和国時代の港、サンマルコ広場の前へゆっくり、ゆっくりと進んでいきます。
夕日に輝くビザンチン様式の美しいドーム屋根、鐘楼が目の前に現れます。中世の荘厳な建物、オレンジ色の瓦屋根の家並み、観光用ゴンドラや水上バスで混み合うサンマルコ広場の風景が広がります。
そして、ヴェネツィア本島が遠ざかる頃、船はラグーンを抜け外海へと出てきます。マルコ・ポーロが眺めた景色と同じなのかなぁ、などとぼんやり考える、だからクルーズはやめられないのです。夕暮れの出港もよいですが、ヴェネツィア港の入港も感動的です。朝もやの中、ゆっくりと近づく静かなヴェネツィアの街、神々しいサンマルコ大聖堂の姿は言葉を失う美しさです。
コラムでは3回シリーズで私がお薦めする美しい港をランキングで紹介させていただきましたが、旅のプロとしてみなさまにお伝えしたかった事、それは一度訪れた街であってもアクセス方法を変えるだけで印象や旅情は大きく変わるということです。
新しい感動を探しに次回はクルーズ旅でヴェネツィアやバレッタ、ニューヨークへお出かけになりませんか。
(クルーズコンサルタント 一柳元子)
※2021年8月よりイタリア政府はヴェネツィアの水路を「国定記念物」に指定し、干潟(ラグーン)内への大型クルーズ船の入港禁止を決定。
対象となる地域は聖マルコ広場近くのラグーン盆地とベネツィアの主要な海洋路であるジュデッカ運河。総トン数2万5000トン以上、船長180メートルを超えるクルーズ船が対象となっています。
おすすめクルーズ
【2024年夏 ポナン】
※この船はジュデッカ運河航行の基準を満たしているため、運河沿いの港に停泊し運河を航行する予定です。
デラックスステートルーム デッキ3 4,110ユーロ~
【2023年秋 セレブリティ・クルーズ】
オーシャンビュー 1,299ドル~
【2024年春 リージェント セブンシーズ クルーズ】
デラックスウィンドウスイート H 7,799ドル~
※上記は全て、2名様1室ご利用時のおひとり様あたりのご料金です。
上記以外にも、おすすめクルーズがございます。お気軽にお問い合わせください。