2023.05.12
『船からしか見られない景色 ⑴』
海外の名だたる船が、続々と日本に寄港しています。今後は日本の港から始まるワールドクルーズもあるそうで、ワクワクしています。
今回は少しオーソドックスですが、クルーズの魅力のひとつについて書きたいと思います。
さて。「クルーズって、何が一番魅力?」と聞かれると、たくさんありすぎて、ひとつに絞ることができません。船や地域によって過ごし方は異なりますし、楽しみ方は乗船する人の数だけあるでしょう。「クルーズの旅と陸の旅の魅力の違いは?」、と聞かれたら、一番先に「美しい風景が常にゆったりと変わっていくこと。」と答えます。船からしか見えない美しい景色を堪能することができます。
クルーズ船は、たいてい夕方以降の出港になることが多いのですが、ゆっくりと出港するその時に、デッキから夕暮れのクレーン群を見るのが好きです。
キリンのようなこのクレーン群が吊るすコンテナは、どこから来ているのだろう、どこの港とつながっているのだろう、と考えながら。
昼間に見るコンテナ埠頭とは違う、神秘的な景色が目の前を流れていきます。
世界三大美港のひとつとして知られるシドニーのオペラハウスも、陸地から見るのとはアングルや目線の高さが違います。
水面を滑るように進む船の上から、ライトアップされた美しいオペラハウスがゆっくりと流れていくのを眺めていたら、乗船していた船の姉妹船と、洋上でのランデブーがありました。
汽笛を鳴らしながら進む船、乗船客も興奮してお互いにデッキから手を振り、何やら楽しそうに叫びます。私が耳にしたのは、「おーい!こっちの船の方が大きいぞ!」。クルーズに乗っていてもなかなか遭遇しない経験です。
朝が明けきらないうちにゆっくりと入港した、スペインのパルマ・デ・マヨルカ。
地中海に浮かぶバレアレス諸島のひとつで、港からは、14世紀に建てられたベルベール城が見えます。ゴシック様式の、ヨーロッパでも珍しい円形のお城です。絵葉書のような美しい景色を、静かな時間帯にバルコニーから眺める贅沢さ。
この日はこのベルベール城から、自分が乗ってきた船も見ることができました。
こちらはペルー共和国、イカ州パラカスにある地上絵。
クルーズ船からボートに乗り換えて見ることができた、長さが約183mもある「枝付きの燭台」という地上絵です。
「海賊が宝物の在処を知らせるために描いた」、「航行の目印として描かれた」など諸説あるそうです。
目の前に現れた初めて見る地上絵の壮大さに、乗客も言葉が出ません。2500年ほど前に描かれたといわれる巨大な絵は、海からの塩分の濃い霧によって固められて守られているそうです。
世界中の様々な観光地に寄港するクルーズ。列車や車から見る景色とは違う、ゆったりと移り変わる景色を楽しみませんか?
次回も「船からしか見られない景色」をご紹介いたします。
(クルーズコンサルタント 鈴木理子)
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2023年12月9日~12月21日 12泊13日
シドニー発着(6寄港地、終日クルーズ4日間)
ユネスコ世界遺産に登録されるニュージーランドのフィヨルド「ミルフォード・サウンド」を通過する人気のクルーズです
※上記は全て、2名様1室ご利用時のおひとり様あたりのご料金です。
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